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熊野川の濁り 大水害前の2倍以上

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熊野川の濁り 大水害前の2倍以上
紀伊民放 2016.5.19

 
 
 国や和歌山と奈良、三重の3県、熊野川流域の自治体などでつくる「熊野川の総合的な治水対策協議会」が18日、和歌山県田辺市本宮町の本宮行政局で開かれ、現地を視察した。上流のダムや発電所などによって熊野川が濁る日数は減ってきているが、2011年9月の水害前と比べると依然として2倍以上に上る。会議では、新宮市の田岡実千年市長が「一刻も早く解消を望みたい」などと訴えた。 
 協議会は3県や流域にある田辺市や新宮市など11市町村、近畿地方整備局、紀南河川国道事務所、関西電力、電源開発(Jパワー)西日本支店などを委員として12年7月に設立。開催は今回で11回目で、実際に対策が進む現場の状況を見て意見を交換しようと初めて現地で開いた。 
 濁水対策については、風屋ダム(奈良県十津川村)と二津野ダム(同)を使って発電事業をしている電源開発の担当者が風屋ダムは昨年4月、二津野ダムには今年3月末に濁水防止フェンスを設置して運用を始めたこと、今年秋から風屋ダムの取水設備の改造に取り組むことなどを説明した。 

 具体的な濁りの状況については、近畿地方整備局河川部の担当者が説明。協議会が濁っている状態の目安としている「濁度20以上」の日数は、熊野川下流域の南桧杖(新宮市)で12年の132日に対し、13年は98日、14年は60日、15年は55日と少しずつ減少傾向にあることを報告した。ただ、大水害前の09年22日、10年21日と比べると2倍以上となっている。 
 この状況に対し、田岡市長が「風屋ダムでは1年前に濁水防止フェンスが設置されたが、今でも依然として見た目にも改善されたと言いがたく、下流域に住む者としては一刻も早い解消を望むところ。最近、外国人観光客が増える中で、世界遺産の川として非常に恥ずかしい思いもしている」と苦言を呈した。 
 さらに「この1年間の濁度について見ると、行楽シーズンの7月と9月が前年より悪く、冬場の渇水期も改善が図られていない」として(1)濁水対策の先進事例を調査して参考にすること(2)二津野ダムから約8キロの導水路を伝って新宮市熊野川町にある「十津川第二発電所」の放水口で、大変な濁りがある場合には発電を停止する―など運用見直しを含めた対策を求めた。 
 協議会ではこのほか、熊野川に堆積した土砂を除去する取り組みの進捗(しんちょく)状況などについても報告。参加者は二津野ダムの濁水防止フェンスなどを視察した。 

 
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【(写真)濁った状態の熊野川(18日、和歌山県新宮市熊野川町で)】

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