2015.3.30
1)キブシがようやく咲いた。八ッ場ダム水没予定地の雑木林にて。
2)行き倒れたニホンカモシカが他の動物の命をつなぐ助けになったのか。八ッ場ダム水没予定地にて。
3)吾妻渓谷下流の雁ヶ沢のほとりにある松の湯温泉は、八ッ場ダム水没予定地の川原湯温泉と同じ湯の香りがするが、温度はずっと低いので、冬は加温している。源泉かけ流しの素朴な温泉。
4)吾妻渓谷下流の松の湯の源泉は、旅館裏手の山の中にある。もともとは、源泉のある場所に湯船があったが、今は源泉に覆いをして旅館まで流下させているという。1分間に100リットル湧出。一軒の旅館で使うには十分すぎるほどの湯量。
5)昨年9月まで吾妻線の列車が走っていた旧・川原湯温泉駅は、駅舎が解体されてしまった。
6)吾妻渓谷と川原湯温泉駅をつないでいた八ッ場ダム水没予定地の国道沿いには、10年ほど前に立てられた「なつかし あたらし 川原湯温泉」という看板だけが残されている。
7)名勝・吾妻渓谷、八ッ場ダムのダムサイト予定地右岸の山。木が伐採された上、キャタピラがのぼる道が造られ、さらに山が切り崩されていく。
8)解体された川原湯温泉駅の跡地。駅前にあった梅も桜も伐られたのか。道路を挟んで向かいにあった国交省の相談センターには白いカバーがかかっている。
9)吾妻渓谷の上流端の左岸の山頂に「ダム軸」と書かれた矢印。八ッ場ダムの本体工事のために、左岸の山頂から右岸にロープが吊るされた。
10)吾妻渓谷の下流では、カタクリのつぼみが姿を現した。ダム計画さけなければ、八ッ場にも春が訪れただろうに。
2015.4.5
11)川原湯温泉トンネルの手前に掲げられた県議選のポスター。無投票で自民党の南波、萩原氏(現職)の当選決定。「吾妻はひとつ! 可能性は無限大!」のキャッチフレーズ。八ッ場ダム事業が進むこの地はこれからどうなるのか
12)JR川原湯温泉新駅の裏では、山沿いに付替え県道が建設中。このあたりは川原湯神社の移転予定地だが、砂防ダムやのり面の工事が延々と続いている。
13)本当は車を通行止めにして地質調査を行うべきなのだろうが、交通量の多い道路の通行の妨げにならないよう、急傾斜ののり面の小段に櫓が組まれている。
14)八ッ場ダムの付替え国道では、ボーリングによる地質調査が始まった。酸性熱水変質帯による地すべりが懸念される場所。吾妻渓谷の茂四郎トンネル出口付近、川原畑地区石畑。
15)付替え国道の脇に「地質調査中 ここから200m間 群馬県中之条土木事務所」の看板。付替え国道をつくったのは国交省だが、3けた国道の維持管理は群馬県の役割という理由で、地質調査も県の負担。タンクの水は地質調査の送水用か。
16)廃線になった吾妻線の土手にスイセンが咲き群れていた。八ッ場ダム水没予定地、川原畑地区西宮。
17)梅と水仙の馥郁とした香りに包まれたこの美しい土地が、なぜ首都圏の人々に必要とされない八ッ場ダムに沈められなければならないのか。
18)粉雪舞う吾妻渓谷左岸で、今日も八ッ場ダム本体工事の発破作業が行われた。
19)八ッ場ダム本体工事現場の脇を走る付替え国道の法面では、ボーリング調査が続く。ダムの本体工事は国交省の仕事。国道の管理は群馬県の仕事。
20)ダム本体工事予定地の脇を流れていた八ッ場沢には砂防ダムの列。後方の山は雪で煙っている。ダム事業でこの八ッ場沢に公園が造られるという。
21)地すべりが発生している付替え国道のある川原畑地区の代替地に露出している酸性熱水変質帯。
22)八ッ場大橋から川原湯温泉駅の跡地を見下ろす。昔、列車を待つ間、ホームから下りて栗を拾ったが、栗林も伐られ、シャベルカーが土を掘っている。工事用道路が緑色に見えるのは、川原畑の土を使ったからか。駅舎の脇にあった建物も解体。
23)旧川原湯温泉駅ホーム周辺。
24)「草津方面」の文字が見える旧国道から、廃線になった線路をまたいで、ダム工事の道路が造られている。発掘調査も行われるのだろうか。八ッ場ダム水没予定地・下湯原。
25)4月8日の今日は川原湯神社の春祭りだった。春祭りに雪が降るのは、川原湯でも久しぶり。
26)川原湯神社の神楽殿、えびすさん(オイビツサン)の舞い。川原湯の太々神楽(略称ダイダイ)は90年ほど前(大正末年~昭和初期)、吾妻渓谷下流の松谷神社から伝わった。元をたどれば、東京・青梅の御嶽神社の由来。
27)神楽殿の下では、子供たちが餅まきを今か今かと待ってえびすさんに呼び掛けるが、えびすさんは気を持たせている。お囃子の流れる中、ゆっくりしたテンポで舞台が進む。梅は咲いたが桜はまだ。花冷えの川原湯にえびすさんが春を呼ぶ。
28)えびすさんが釣り竿に菱形の餅を吊るすと、子供たちの声が一段とヒートアップ。昔こどもだった人も手を伸ばす。
29)川原湯温泉の旦那衆が古の装束を身につけて神話の世界を演じる。国津神の使い・猿田彦と、天津神の使い・天若彦の問答も興深い。
30)最後は、白狐とヒョットコ、そして一升瓶をぶら下げた医者が登場して急転直下、神代の物語が笑いで幕を閉じる。住民、観光客、国交省の職員、建設業者も集まる川原湯神社の春祭り。今年は本体工事業者の姿も。
31)川原湯神社の太々神楽、第十座「酒造」。この後、スサノオノミコトとヤマタノオロチが闘うまでは、神話に沿ったストーリー。
32)川原湯神社は八ッ場ダムの水没線より高い位置にあるが、水没予定地住民の移転代替地よりは低い。これでは神様におそれ多いので、新しい川原湯温泉駅の裏手に移転する予定だが、移転時期は未定。予定地周辺では砂防、道路工事が続いている。
2015.4.24
33)名勝・吾妻渓谷、八ッ場ダムのダムサイト予定地。渓谷の見晴らし台からの眺望。吾妻川の河床が干上がり、両岸の樹木が伐採され、本体工事を本格的に始める準備を進めている。
34)旧・川原湯温泉駅の周辺では、発掘調査が始まった。10日前の写真(右)では工事用道路があった場所。このあたりも、浅間山の大噴火による天明泥流が押し寄せた。八ッ場大橋(湖面橋)から撮った写真。作業する人々の姿が豆粒のように見える。
35)旧・川原湯温泉駅の両側で始まった発掘調査。線路と跨線橋がまだ残っているが、駅や線路の跡も発掘対象になるのだろうか。八ッ場大橋(湖面1号橋)から撮った写真、水没予定地に橋の黒い影が落ちている。大勢の作業員が豆粒のように小さく見える。